出社回帰で転職する?リモート廃止後に残る・交渉・異動を判断する方法

働き方・考え方

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リモート勤務だったのに、突然「来月から週5出社」と言われた。通勤時間が戻り、育児や介護、生活リズムとの両立が崩れるなら、戸惑うのは自然です。

ただし、出社が嫌だからすぐ転職する、会社の命令だから無条件で従う、という二択にする必要はありません。

最初に確認したいのは、出社回帰が自分の生活と仕事に与える具体的な影響、在宅勤務が労働条件としてどう定められているか、会社と調整できる余地があるかです。そのうえで、残る、交渉する、異動する、転職するの順に選択肢を比較します。

この記事では、出社回帰・リモート廃止を命じられたときに確認する資料、会社への伝え方、判断表、転職する場合の注意点まで整理します。

結論|出社日数ではなく「生活への実害・変更の根拠・調整可能性」で判断する

出社回帰後の判断は、次の3点で整理すると迷いにくくなります。

  1. 生活への実害:通勤、育児・介護、健康、費用、勤務可能時間にどの程度影響するか
  2. 変更の根拠:雇用契約、労働条件通知書、就業規則、テレワーク規程に何が書かれているか
  3. 調整可能性:出社日数、曜日、時差勤務、部署・職務変更などを相談できるか

一時的な方針変更で、生活への影響も小さいなら、期限を確認して様子を見る選択があります。生活が成立しないほどの影響がある一方、会社が具体的な調整に応じるなら、交渉や異動を先に検討できます。

重要な条件が変わり、調整の見込みも乏しい場合は、在職中に転職先を比較することが現実的です。

まず「会社は出社を命じられるのか」を資料で確認する

出社回帰が認められるかは、すべての会社・社員に共通する一つの答えでは決まりません。勤務場所やテレワークの扱いが、どの資料にどう定められているかで判断が変わります。

確認する順番は次のとおりです。

  • 雇用契約書・労働条件通知書の勤務場所
  • 就業規則・テレワーク規程
  • 入社時や制度導入時の説明資料
  • 出社回帰を知らせる社内通知
  • 個別に会社と合意した書面やメール

厚生労働省のテレワーク総合ポータルは、労働契約や就業規則で労働者が任意にテレワークを実施できることが労働条件として定められている場合、原則として使用者が一方的に廃止して出社させることはできないと説明しています。同時に、具体的な取り扱いは労使でよく話し合うことが望ましいとしています。

一方、テレワークが会社の裁量による一時的な措置だった場合や、規程上の対象・回数に条件がある場合は、同じ判断にはなりません。「以前は在宅勤務だった」という事実だけで結論を出さず、文書の表現と現在の通知を照合してください。

参考:厚生労働省 テレワーク総合ポータル「一方的にテレワークを廃止し、出社を求めてよいですか」

出社回帰で何が崩れるのかを数字にする

会社へ相談する前に、「リモートが好き」という好みだけでなく、変更による影響を具体化します。

確認項目書き出す内容
通勤片道時間、乗換え、混雑、月の追加時間
費用交通費の扱い、外食、保育・介護、被服などの追加負担
育児・介護送迎・通院・見守りの時間、代替手段、家族の負担
健康睡眠、通院、疲労、症状への影響
仕事集中できる業務、対面が有効な業務、成果への影響
キャリア評価、昇進、担当業務、人間関係への影響

たとえば「通勤がつらい」だけでなく、「週5出社になると通勤が週10時間増え、保育園の迎え時刻に間に合わない」と示せれば、会社と検討すべき条件が明確になります。

残る・交渉する・異動する・転職する判断表

状況第一候補次に確認すること
出社の目的・期間が明確で、生活への影響が許容範囲残って様子を見る実施期間、見直し時期、評価方法
生活への影響は大きいが、業務はリモートでも遂行できる個別に交渉する必要な出社日、曜日、時差勤務、試行期間
現職や会社には残りたいが、現在の部署だけ出社が必須異動を検討する他部署の勤務形態、社内公募、異動時期
週5出社では生活が成立せず、調整案も受け入れられない転職を検討する在職中の情報収集、次の会社での確認事項
契約上の扱いと会社説明が食い違い、不利益が大きい社内外へ相談する書面、通知、相談記録、公的窓口
心身の不調や安全上の問題が出ている休養・専門相談を優先する医療機関、社内窓口、休職制度、公的相談

同じ出社回帰でも、週1日から週2日への変更と、フルリモートから週5日への変更では影響が違います。会社への不満の強さだけでなく、生活が継続できるか、調整後も働きたいかで選びましょう。

会社へ交渉するときの進め方

1. 会社の目的を確認する

出社回帰の理由が、情報共有、新人育成、セキュリティ、顧客対応、チーム再編などのどれかを確認します。理由が分からなければ、代替案も作れません。

「なぜ出社なのですか」と反論するより、「出社で解決したい課題と、必要な日数・業務を確認したいです」と聞く方が、話を具体化しやすくなります。

2. 希望ではなく実行可能な案を出す

交渉では、全面的な在宅継続だけを要求せず、目的を満たせる複数案を用意します。

  • 対面が必要な会議日に出社する
  • 週5日ではなく週2〜3日にする
  • 送迎に合わせて時差出勤する
  • 一定期間試行し、成果と連携状況を見直す
  • 対面業務と集中業務で勤務場所を分ける
  • 出社が少ない部署・職務への異動を相談する

自分の都合だけでなく、業務がどう成立するかまで示すことが重要です。

3. 合意内容を残す

口頭で合意できた場合も、対象期間、出社日数、見直し日、緊急時の扱いをメールや社内文書で確認します。後から説明が変わるリスクを減らせます。

育児・介護・健康上の事情がある場合

育児や介護、通院などで出社回帰の影響が大きい場合は、事情を一人で抱え込まず、人事や社内相談窓口へ早めに伝えてください。

2025年10月施行の改正育児・介護休業法では、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者について、事業主が複数の柔軟な働き方の措置を用意し、個別に周知・意向確認する制度が設けられています。テレワークだけが必ず認められる制度ではありませんが、始業時刻の変更、短時間勤務などを含め、自社の対象制度を確認する材料になります。

参考:厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイント」

健康上の事情は、必要に応じて医療機関や産業保健スタッフへ相談します。診断名を自分で決めるのではなく、働き方の変更で起きている症状と生活への影響を伝えてください。

交渉しても解決しない場合の相談先

契約上の勤務場所と会社の説明が食い違う、相談しても説明が変わる、不利益が大きいといった場合は、関連資料と経緯を残します。

厚生労働省の総合労働相談コーナーは、労働条件の変更を含む幅広い職場トラブルについて、無料・予約不要で相談を受け付けています。会社と争うと決める前でも、何を確認すべきか整理するために利用できます。

参考:厚生労働省「総合労働相談コーナー」

転職する場合は「リモート可」の中身まで確認する

出社回帰を理由に転職するなら、次の会社で同じ問題を繰り返さない確認が必要です。

  • フルリモート、原則リモート、週○日リモートのどれか
  • 出社日数を誰が決めるか
  • 試用期間中の扱い
  • 配属先や職種による差
  • 居住地の制限
  • 顧客先への出社や出張の有無
  • 制度変更時の説明・協議方法
  • リモート勤務者の評価や昇進の実態

求人票に「リモート可」と書かれていても、頻度や対象が確約されているとは限りません。企業公式情報、求人票、口コミ、面接回答を照合する手順は、会社の評判の調べ方で確認できます。

退職を先にするか迷う場合は、退職してから転職活動するか、働きながら進めるかの判断基準も参考にしてください。

リモート求人へ転職する合理性があるケース

次の条件が重なるなら、リモート勤務を続けられる会社を探す合理性があります。

  • 週5出社では育児・介護・健康・居住地との両立が難しい
  • 現職で具体的な調整案を提示したが、実現の見込みがない
  • 現在の仕事内容や経験を、別の会社でも生かせる
  • リモート勤務が単なる希望ではなく、長く働くための重要条件になっている
  • 転職意思があり、自分の経験・希望条件で選べる求人を確認したい

リモート勤務を転職条件にするなら、求人があるかを見るだけでなく、自分の経験や希望条件で現実的な選択肢があるかを確認することが大切です。Remofulは、リモートワーク×ビジネス職に特化した転職エージェントで、キャリアアドバイザーに無料で相談でき、希望を聞いたうえで求人を紹介しています。リモート転職を具体的に考えている人は、自分の条件でどんな選択肢があるか相談してみると、転職するかどうかの判断材料になります。

すぐ転職しなくてもよいケース

出社の目的や期間が明確で、生活への影響を調整できるなら、すぐ転職する必要はありません。会社や仕事内容に納得している場合は、曜日調整、時差勤務、部署変更で問題が解消する可能性があります。

自分だけで選択肢を整理しにくい場合は、転職すべきかを誰かに相談したい人向けの記事で、公的相談、キャリア相談、転職支援の違いを確認できます。

今日からできる5つの行動

  1. 雇用契約書、労働条件通知書、就業規則、テレワーク規程を確認する
  2. 出社回帰で増える時間・費用・生活上の制約を書き出す
  3. 会社が出社で解決したい課題と、見直し時期を確認する
  4. 出社日数、曜日、時差勤務、異動などの代替案を用意する
  5. 調整が成立しない場合に備え、在職中に求人条件を比較する

転職理由そのものを整理したい場合は、そもそも、なぜ転職するのかで、今の不満と次に得たい条件を分けてください。

まとめ|出社回帰を、働き方を選び直す材料にする

出社回帰・リモート廃止を告げられても、すぐに残留か退職かを決める必要はありません。

  • 生活への実害を具体化する
  • 契約・規程・通知を確認する
  • 会社の目的と調整可能性を聞く
  • 残る、交渉する、異動する、転職するを比較する
  • 次の会社では「リモート可」の条件まで確認する

今日のNext Best Actionは、出社回帰で困ることを「時間・費用・生活・仕事」の4項目に分け、会社へ確認したい質問を一つ作ることです。結論より先に、判断材料を増やしてください。

山本 裕也(やまもと ひろや)
この記事を書いた人

中堅の一般企業で10年以上、採用・教育に従事。新人研修や社内相談窓口も担当していました。現在は、採用コンテンツを中心としたライター・編集ディレクターとして活動しており、累計300本以上の転職・キャリア系記事を執筆・監修しています。

また自分自身も2度の転職を経験。つらさや迷いを抱えながら働いていた時期もありました。だからこそ、今「正直つらいな」と感じている方に、無理せず「自分らしい働き方」を見つけるヒントをお届けし、理想の人生に向かって一歩踏み出すサポートをしたいと思っています。

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