退職してから転職活動する?働きながら進める?判断基準と手順

転職

「転職したいけれど、仕事を続けながらでは動く時間がない」

「先に退職すれば集中できそう。でも、次が決まらなかったら怖い」

転職活動と退職のどちらを先にするかは、誰にでも同じ正解がある問題ではありません。収入を保てる在職中の活動が基本的な選択肢になりますが、心身や安全への影響が大きい場合まで、働き続けることを優先する必要はありません。

大切なのは、勢いで順序を決めるのではなく、生活の安定、健康、活動時間、転職の方向性を一緒に確認することです。

この記事では、働きながら進める場合と退職してから進める場合を比較し、自分に合う順序を判断する表と、選んだ後の具体的な手順を紹介します。

  1. 結論|基本は在職中。ただし、健康・安全と活動可能性を先に確認する
  2. 最初に確認する5つの判断軸
    1. 1.心身と安全を保てるか
    2. 2.収入がない期間を支えられるか
    3. 3.働きながら活動する時間を作れるか
    4. 4.転職の方向性が見えているか
    5. 5.今の会社で調整できる余地があるか
  3. ケース別判断表|自分に合う順序を選ぶ
  4. 働きながら転職活動するメリット・デメリット
    1. メリット
    2. デメリット
  5. 退職してから転職活動するメリット・デメリット
    1. メリット
    2. デメリット
  6. 先に退職する選択を検討しやすいケース
    1. 心身や安全への影響が大きい
    2. 調整しても転職活動の時間を確保できない
    3. 転職の軸と応募準備ができている
    4. 生活を維持できる見通しがある
  7. 先に辞めない方がよい可能性があるケース
  8. 働きながら進める場合の手順
    1. 1.転職活動に使う時間を先に確保する
    2. 2.職務経歴と希望条件を整理する
    3. 3.求人を見て、転職市場とのずれを確認する
    4. 4.応募と面接を少数から始める
    5. 5.内定条件を確認してから退職手続きへ進む
  9. 退職後に進める場合の手順
    1. 1.退職前に生活費と手続きを一覧にする
    2. 2.退職後の1週間と1か月の予定を決める
    3. 3.応募方針と見直し日を決める
    4. 4.退職理由を次の判断へつなげる
    5. 5.生活リズムと相談先を持つ
  10. 退職前に確認するお金と公的手続き
  11. 今日決める3つのこと
    1. 1.今週、在職中にできる行動
    2. 2.先に辞める場合の条件
    3. 3.判断を見直す日
  12. よくある質問
    1. 退職してから転職活動すると不利ですか?
    2. 在職中であることを応募先に伝えてよいですか?
    3. 内定前に会社へ退職意思を伝えるべきですか?
    4. 第二新卒で先に辞めても大丈夫ですか?
  13. まとめ|「先に辞めるか」ではなく、自分に合う順序を決める

結論|基本は在職中。ただし、健康・安全と活動可能性を先に確認する

収入を保ちながら求人を比較できるなら、まずは在職中に転職活動を始める方が、生活面の焦りを抑えやすくなります。

マイジョブ・カードの転職活動ガイドでも、転職活動は在職中・退職後のどちらでも行えるとしたうえで、在職中に始めて失業期間なく次の仕事へ進めれば、収入面が安定すると説明しています。

ただし、次のような場合は「内定が出るまで今の会社に残る」を絶対条件にしない方がよいでしょう。

  • 心身の不調や安全上の問題がある
  • 長時間労働などで、応募や面接に必要な時間をほとんど確保できない
  • 休職、業務調整、異動などを確認しても状況が変わらない
  • 退職後の生活費と手続きを具体的に見通せている
  • 志望する仕事や避けたい条件がある程度整理できている

反対に、生活費の見通しがなく、転職の方向性も決まっていないなら、先に辞めることで焦りが強くなる可能性があります。

まだ「今の仕事を辞めるべきか」から迷っている場合は、先に仕事をどこまで我慢するべきかの判断基準を確認してください。本記事は、転職を選択肢に入れた後の進める順序に焦点を当てます。

最初に確認する5つの判断軸

1.心身と安全を保てるか

眠れない、食欲が落ちた、動悸がする、職場でハラスメントや安全上の問題があるなど、健康や安全への影響がある場合は、転職活動の効率より休養と相談を優先します。

厚生労働省の「こころの耳」相談窓口では、働く人や家族などを対象に、電話、SNS、メールの相談先を案内しています。症状がある場合は、医療機関や社内の産業保健スタッフへの相談も検討してください。

2.収入がない期間を支えられるか

先に退職する場合は、現在の貯金額だけでなく、毎月の固定費、健康保険、年金、住民税、転職活動の交通費などを含めて見通します。

「失業給付があるから大丈夫」と決めるのは避けましょう。受給資格や開始時期は離職理由や加入状況などで異なります。ハローワークの公式FAQでは、自己都合退職後の基本手当には待期期間に加えて給付制限がある場合を案内しています。自分の条件は退職前に管轄のハローワークで確認する方が安全です。

3.働きながら活動する時間を作れるか

平日の面接、応募書類の作成、求人比較に使える時間を確認します。忙しいだけでなく、勤務が不規則、出張が多い、休暇を取りにくいなど、活動を止める具体的な原因を分けましょう。

すべてを一度に進める必要はありません。最初は求人を見る、経歴を整理する、応募先を1社選ぶなど、在職中にできる範囲から始められます。

4.転職の方向性が見えているか

希望職種が決まっていなくても、次の職場で避けたい条件は整理できます。仕事内容、勤務地、給与、働く時間、社風などから、譲れない条件を3つ程度に絞ります。

「辞めたい」気持ちは強いのに次の方向が見えない場合は、仕事を辞めたいけれどやりたいことがない人向けの整理手順を先に使うと、焦って応募先を決めにくくなります。

5.今の会社で調整できる余地があるか

負担の原因が担当業務、部署、勤務時間などに限られるなら、業務調整や異動で活動時間と健康を確保できる可能性があります。

一方、会社全体の制度や文化、説明された労働条件との不一致など、社内調整では変えにくい問題もあります。会社に残ることと転職活動を始めることは二者択一ではありません。在職したまま求人を見て、外の選択肢を確かめることもできます。

ケース別判断表|自分に合う順序を選ぶ

次の表は、退職を自動的に決めるものではありません。今の自分がどちらから検討しやすいかを整理するために使ってください。

状況 第一候補 判断理由 先にすること
収入を失うと生活がすぐ不安定になる 働きながら進める 焦りによる応募先の妥協を避けやすい 固定費を確認し、週単位の活動時間を決める
今の仕事はつらいが、休暇や活動時間を確保できる 働きながら進める 収入を保ちながら求人を比較できる 求人確認と職務経歴の整理から始める
方向性がまだ曖昧で、辞めたい気持ちが先行している 働きながら整理する 退職後に焦って次を決めるリスクがある 避けたい条件と転職目的を言葉にする
心身の不調や安全上の問題がある 休養・相談を優先 在職継続や転職活動より健康と安全が先 医療機関、社内外の相談先、休職制度を確認する
業務負荷が高く、調整しても活動時間を作れない 退職後の活動も検討 在職中の活動が現実的に進まない 生活費、制度、退職後の日程を確認する
生活費の見通しがあり、応募方針も明確 退職後の活動も検討 集中する利点を生かしやすい 期限を区切った活動計画を作る
転職後のミスマッチで再転職を迷っている まず原因を整理 順序より、残る・異動・再転職の判断が先 ミスマッチの範囲と改善可能性を確認する

転職後の会社で合わないと感じている場合は、先に残る・異動・再転職の判断基準で、再転職そのものが必要かを整理できます。

働きながら転職活動するメリット・デメリット

メリット

  • 毎月の収入を保ちながら活動できる
  • 内定を急がず、求人や条件を比較しやすい
  • 転職しない選択も残せる
  • 経歴の空白期間を気にせず進められる
  • 外の求人を見たうえで、現職に残る判断もできる

収入が続くことの大きな利点は、合わない求人を断る余地を持ちやすいことです。「早く次を決めないと生活できない」という焦りが小さければ、仕事内容や条件を確認する時間を取りやすくなります。

デメリット

  • 応募書類や面接の時間を確保しにくい
  • 仕事と転職活動が重なり、疲れやすい
  • 平日の面接日程を調整しにくい
  • 退職日と入社日の調整が必要になる
  • 忙しさから活動が長引くことがある

在職中でも、ハローワークでは求職登録や求人情報の確認が可能です。最初から多くの企業へ応募せず、情報収集、書類準備、応募の順に分けると負担を調整できます。

退職してから転職活動するメリット・デメリット

メリット

  • 求人比較、応募書類、面接へ時間を使いやすい
  • 平日の面接や複数選考へ対応しやすい
  • 心身を休めてから今後を考えられる
  • 資格取得や学び直しを並行しやすい
  • 現職の予定に左右されず活動計画を立てられる

時間を確保できることは利点ですが、時間が増えるだけで転職の方向性が決まるとは限りません。退職前に、何を探すか、いつ見直すかまで決めておくことが重要です。

デメリット

  • 給与収入が止まり、生活費への不安が増える
  • 健康保険、年金等の手続きが必要になる場合がある
  • 活動が長引くと、希望条件を下げたくなることがある
  • 生活リズムと活動ペースを自分で管理する必要がある
  • 退職理由や活動期間を選考で説明する準備が必要になる

「辞めれば時間ができる」という理由だけで決めず、その時間を何に使うかまで書き出しましょう。

先に退職する選択を検討しやすいケース

心身や安全への影響が大きい

仕事を続けることで症状や危険が増す場合は、転職先を決めることより、働ける状態を取り戻すことが先です。休職、医療機関、社内外の相談先も含めて検討します。

調整しても転職活動の時間を確保できない

業務量の相談、有給休暇、勤務時間の調整などを確認しても、応募や面接がほとんど進まない場合です。退職後に活動するなら、生活費と手続き、活動期限を先に決めます。

転職の軸と応募準備ができている

希望職種、避けたい条件、応募先の候補、職務経歴書が整理されていれば、退職後の時間を具体的な活動へ使えます。方向性がない状態より、計画が崩れにくくなります。

生活を維持できる見通しがある

毎月必要な金額と退職後の支出を確認し、転職活動が想定より長引いた場合も含めて対応を考えられている状態です。家族の収入や給付を当然の前提にせず、利用条件と時期を確認します。

先に辞めない方がよい可能性があるケース

  • 次に何をしたいか、何を避けたいかが整理できていない
  • 収入が止まると、すぐに生活が難しくなる
  • 失業給付の受給資格や開始時期を確認していない
  • 「忙しそう」という想像だけで、在職中にできる準備を試していない
  • 今の職場で業務調整や異動の余地がある
  • 退職すれば短期間で内定が出ると思い込んでいる

退職後の転職活動が不利になるかどうかを、退職した事実だけで一律には決められません。ただし、焦りから条件確認が浅くなると、次のミスマッチにつながります。先に辞めるなら、辞める理由と次の選択基準を説明できる状態を作りましょう。

働きながら進める場合の手順

1.転職活動に使う時間を先に確保する

平日の夜、休日、休暇を使える日を確認し、応募件数より継続できる時間を決めます。

2.職務経歴と希望条件を整理する

担当業務、工夫したこと、身についたこと、次に避けたい条件を書き出します。求人を見る前にすべて完成させる必要はありません。

3.求人を見て、転職市場とのずれを確認する

希望する仕事が実際にあるか、必要な経験や給与水準はどうかを確認します。求人を見ることと、今すぐ応募することは別です。

4.応募と面接を少数から始める

活動時間が限られるなら、応募先を増やしすぎず、比較できる範囲で進めます。面接では入社可能時期を正直に伝えます。

5.内定条件を確認してから退職手続きへ進む

仕事内容、勤務地、給与、入社日などを書面で確認し、就業規則と引き継ぎ期間を踏まえて退職日を調整します。

退職後に進める場合の手順

1.退職前に生活費と手続きを一覧にする

毎月の固定費、保険、年金、税、転職活動費を確認します。受給できる可能性がある給付も、条件と開始時期を公式窓口で確認します。

2.退職後の1週間と1か月の予定を決める

休養が必要なら休む期間を決め、その後に求人確認、書類作成、応募をいつ始めるか予定へ落とします。

3.応募方針と見直し日を決める

応募職種、譲れない条件、応募数ではなく確認する求人の範囲を決めます。一定期間で進捗を見直し、条件を変える場合も理由を残します。

4.退職理由を次の判断へつなげる

前職の不満だけで終わらせず、「何が合わなかったか」「何を確認したか」「次は何を重視するか」の順に整理します。

5.生活リズムと相談先を持つ

活動時間、休む時間、外出する日を決めます。一人で判断が狭くなっていると感じたら、公的窓口やキャリア相談など第三者の視点を使います。

退職前に確認するお金と公的手続き

退職してから次の会社へ入るまで期間が空く場合、勤務先が行っていた手続きを自分で行う場面があります。

協会けんぽの退職後の健康保険案内では、主な選択肢として、健康保険の任意継続、国民健康保険、家族の健康保険の被扶養者を挙げています。加入条件、期限、保険料が異なるため、自分が加入している健康保険と市区町村へ確認してください。

また、次の会社へすぐ入らない場合は、状況に応じて国民年金への切替手続きが必要になります。日本年金機構の「会社を退職したときの国民年金の手続き」で対象と手続きを確認できます。

退職前に確認する項目は次のとおりです。

  • 最終給与と退職後の毎月の支出
  • 健康保険の選択肢、保険料、手続期限
  • 年金の切替と、納付が難しい場合の相談先
  • 住民税の納付方法
  • 雇用保険の受給資格、給付制限、申請方法
  • 会社から受け取る書類

制度は個別条件で扱いが変わります。まとめ記事だけで決めず、退職前に勤務先、ハローワーク、健康保険、市区町村、日本年金機構など該当する公式窓口で確認してください。

今日決める3つのこと

1.今週、在職中にできる行動

求人を3件見る、職務経歴をメモする、休暇を取れる日を確認するなど、退職しなくてもできる行動を1つ決めます。

2.先に辞める場合の条件

心身の状態、活動時間、生活費、転職準備のうち、何がどの状態になれば退職を選ぶかを書きます。限界まで耐えるための条件にはしないでください。

3.判断を見直す日

「そのうち転職する」のままにせず、求人を確認した後、上司へ相談した後など、次に判断する時点を決めます。

一人で整理すると同じ考えを繰り返してしまう場合は、転職するか迷う人向けの相談先の選び方で、公的窓口、転職支援、キャリア相談などの違いを確認できます。

よくある質問

退職してから転職活動すると不利ですか?

退職後であることだけで一律に不利とは言えません。選考では、退職理由、活動していない期間にしていたこと、応募先を選ぶ基準などを尋ねられることがあります。退職前に理由と次の条件を整理し、活動が長引いた場合の見直し方も決めておきましょう。

在職中であることを応募先に伝えてよいですか?

在職中であることは伝えて構いません。面接可能な時間と入社できる時期を正直に共有し、現職の就業規則や引き継ぎも踏まえて調整します。

内定前に会社へ退職意思を伝えるべきですか?

健康・安全など先に離れる必要がある事情がなければ、応募先の仕事内容や労働条件を書面で確認できる前に退職を確定する必要があるか、慎重に考えましょう。退職の申出時期は雇用契約や就業規則、個別事情で異なるため、勤務先の規定を確認してください。

第二新卒で先に辞めても大丈夫ですか?

年齢や第二新卒という区分だけでは決められません。生活の見通し、退職理由、次の職場で確認する条件を整理することが重要です。再転職を決めた第二新卒は、第二新卒向け転職エージェントの選び方で、特化型と総合型、支援内容の違いを確認できます。

まとめ|「先に辞めるか」ではなく、自分に合う順序を決める

転職活動と退職の順序は、次の5点で判断します。

  1. 心身と安全を保てるか
  2. 収入がない期間を支えられるか
  3. 働きながら活動時間を作れるか
  4. 転職の方向性が見えているか
  5. 今の会社で負担を調整できるか

収入と活動時間を確保できるなら、在職中に求人確認や準備を始めると、選択肢を比較しやすくなります。心身や安全への影響が大きい場合は、内定まで働き続けることに固執せず、休養や相談を含めて順序を考えてください。

今日すぐ退職日を決める必要はありません。まず、在職中にできる一歩、先に辞める条件、判断を見直す日を決めましょう。順序を自分で選べる状態を作ることが、焦って次の会社を決めないための準備になります。

山本 裕也(やまもと ひろや)
この記事を書いた人

中堅の一般企業で10年以上、採用・教育に従事。新人研修や社内相談窓口も担当していました。現在は、採用コンテンツを中心としたライター・編集ディレクターとして活動しており、累計300本以上の転職・キャリア系記事を執筆・監修しています。

また自分自身も2度の転職を経験。つらさや迷いを抱えながら働いていた時期もありました。だからこそ、今「正直つらいな」と感じている方に、無理せず「自分らしい働き方」を見つけるヒントをお届けし、理想の人生に向かって一歩踏み出すサポートをしたいと思っています。

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