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試用期間中に「もう退職したい」と感じても、入社したばかりだから辞められないわけではありません。ただし、辞められるかどうかと、今辞めるのが自分にとってよいかは別の問題です。
仕事内容や労働条件が説明と違う場合、心身の安全に影響がある場合、まだ職場の全体を把握できていない場合では、優先する行動が変わります。
この記事では、試用期間中の退職を考えている人が、すぐ相談する・条件を確認する・期限を決めて続ける・在職中に転職活動を始める・退職するのどれを選ぶか判断できるように整理します。
結論|試用期間中でも退職できる。ただ「今辞めるべきか」は別
試用期間中でも、退職すること自体は可能です。試用期間だから「本採用まで辞められない」というわけではありません。
ただし、試用期間だからといって、何の手続きもなく必ず即日で辞められるわけでもありません。期間の定めがない契約か有期契約か、就業規則や労働条件などによって確認すべき点が変わります。
そのうえで大切なのは、「法律上・契約上辞められるか」と「今すぐ辞めるのが自分にとってよいか」を分けて考えることです。
| 現在の状態 | 最初の行動 | 次の判断 |
|---|---|---|
| 安全・健康に重大な問題がある | 出勤継続より相談と安全確保を優先 | 休む・外部相談・退職を検討 |
| 明示された労働条件と実態が違う | 労働条件通知書と実態を記録 | 是正確認・公的相談・契約解除を検討 |
| 仕事や人間関係がまだ分からない | 確認項目と判断期限を決める | 改善するか見てから判断 |
| 会社全体ではなく担当や教育に問題がある | 上司・人事へ役割や教育方法を確認 | 調整・配置変更の余地を確認 |
| 退職意思が固まり再転職が必要 | 契約形態・退職手続・生活費を確認 | 在職中の転職活動か退職後の活動か選ぶ |
まずは自分の契約形態と労働条件を確認し、そのうえで「今辞めるべきか」を整理していきましょう。
試用期間中でも労働契約は成立している
厚生労働省は、試用期間を、労働者の適性を評価する目的で解約権を留保した労働契約として扱う裁判例の考え方を紹介しています。試用期間満了だけで当然に雇用が終わるとは限らず、本採用拒否にも客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が求められます。
参考:厚生労働省「試用期間」
これは「試用期間中は辞めてはいけない」という意味ではありません。試用期間中でも退職することは可能です。ただし、期間の定めがない契約と有期契約では、退職時に確認すべき点が異なります。まずは雇用契約書、労働条件通知書、就業規則で契約期間と退職手続を確認してください。
試用期間中に辞めたい理由を4つに分ける
1.求人・面接・労働条件通知書と実態が違う
賃金、勤務時間、勤務地、仕事内容などが、契約時に明示された条件と違うケースです。印象の違いではなく、どの書面のどの条件が、実態とどう違うかを記録します。
労働基準法第15条では、明示された労働条件と事実が異なる場合、労働者が即時に労働契約を解除できるとされています。ただし、求人広告と労働条件通知書は同じ位置づけではありません。自分のケースに当てはまるか不明なら、自己判断だけで即日退職せず公的窓口へ確認してください。
2.仕事・教育・人間関係への一時的な戸惑い
入社直後は、社内用語、仕事の手順、相談相手が分からず、能力を発揮しにくい時期です。説明と重大な相違がなく、安全上の問題もないなら、無期限に我慢するのではなく、2週間後や試用期間の中間など判断日を決めて確認する余地があります。
3.役割や配属に限られたミスマッチ
会社全体より、担当業務、教育担当、配属部署との相性が問題なら、期待される役割、教育計画、独り立ちの基準、配置変更の可能性を確認します。問題が変えられる範囲にあるかで、残るか再転職するかが変わります。
ミスマッチの範囲を詳しく整理したい場合は、転職後のミスマッチで残る・異動・再転職を判断する方法も参考にしてください。
4.健康・安全・ハラスメントに関わる問題
心身の不調、暴力、深刻なハラスメント、安全を守れない業務などがある場合は、「試用期間が終わるまで待つ」ことを優先しません。記録を残し、医療機関、社内窓口、公的相談窓口などへ早めに相談します。
今辞める・少し待つ・調整する判断基準
今すぐ相談や退職準備を進めるケース
- 健康や安全への重大な影響がある
- 明示された重要な労働条件と実態が違う
- 相談しても事実確認や是正に応じてもらえない
- 違法の疑いがある行為や強い圧力が続いている
退職日を即断する前に、契約形態、証拠、相談先、生活費を確認します。出勤継続が難しい場合は、欠勤・休暇・医療相談を含めて安全を優先してください。
判断期限を決めて続けるケース
- 入社直後で情報不足が主な原因である
- 業務説明や教育計画を確認できる
- 心身・安全への重大な問題がない
- 改善したか判断する具体的な期限を置ける
「とりあえず3か月」ではなく、何を確認できたら続けるのかを決めます。仕事内容、教育、勤務時間、人間関係を分けて、確認できた事実を残してください。
退職前に会社へ調整を求めるケース
- 問題が担当・配属・教育方法に限られる
- 希望する条件を具体的に説明できる
- 会社に変更可能な制度や別の担当がある
「合わないので辞めたい」だけでなく、説明と違う点、困っている場面、必要な支援、確認したい期限を伝えます。調整結果も、続けるか辞めるかの判断材料です。
退職を伝える前に確認する6項目
- 契約期間:期間の定めがない契約か、有期契約か
- 退職手続:就業規則の申出先、期限、書式
- 条件相違:労働条件通知書と実態の違いを示せるか
- 退職日までの対応:出勤、休暇、引き継ぎをどうするか
- 生活:給与がなくても何か月生活できるか
- 次の仕事:在職中に探すか、退職後に立て直すか
厚生労働省は、期間の定めがない労働契約では、原則として退職の申入れから2週間で終了すると説明しています。一方、有期契約や、会社との合意、明示条件との相違などによって確認点が変わります。「試用期間だから即日退職できる」と一律に考えず、自分の契約を確認してください。
退職意思を伝えても会社が受け取らない場合は、退職を受理されない場合の進め方を確認してください。
次の転職では、短期離職の事実より説明の一貫性を整える
試用期間中の退職は短い職歴になりますが、それだけで次の転職が決まらないとは限りません。事実を隠すより、次の4点を一貫して説明できるようにします。
- 入社後に分かった具体的な事実
- 確認・相談・改善のために取った行動
- 退職が必要だと判断した理由
- 次の会社では何を事前確認するか
前職への不満だけで終わらせず、「同じ問題を避けるため、次は仕事内容・教育・勤務条件をこの順で確認する」と次の選択へつなげます。
次の仕事を決めてから辞めるか、退職後に探すか
安全に働けて転職活動の時間を確保できるなら、在職中に求人を確認すると収入を維持しながら比較できます。心身の回復やトラブル対応が先なら、退職後に立て直す選択もあります。
判断方法は、働きながら転職活動する場合と退職後に進める場合の違いで整理しています。
20代で短期離職後の転職を一人で進めにくい場合
試用期間中に退職するか判断したうえで、20代で正社員として転職する意思があり、短期離職の説明、求人選び、書類・面接を一人で進めにくい人は、第二新卒向けの支援へ相談する方法があります。
第二新卒エージェントneoは、第二新卒・既卒・フリーターなど20代の就職・転職支援を案内しています。紹介求人や支援の可否は、年齢、経歴、希望条件、利用歴によって異なります。退職手続や法的トラブルの相談先ではないため、その問題は公的窓口等へ分けて相談してください。
※支援対象や紹介可能な求人は、年齢・経歴・希望条件・利用歴等により異なります。申込み前に公式ページで最新情報をご確認ください。
まだ退職するか決めていない人、20代以外の人、法的相談が先の人、転職支援を必要としていない人は、このサービスを使う必要はありません。
今日できること|退職届を書く前に事実確認メモを作る
- 契約期間と試用期間の終了日
- 労働条件通知書と実際の違い
- 健康・安全への影響
- 会社へ確認・相談した内容
- 改善を待てる期限
- 退職後の生活費と転職活動の進め方
この6項目を一枚にまとめると、「入社直後で不安なだけなのか」「条件や安全の問題で環境を変える必要があるのか」を分けやすくなります。
まとめ|試用期間を我慢の期限ではなく、確認の期限にする
試用期間中でも、労働者には原則として退職の自由があります。ただし、契約形態や条件相違の有無によって手続と優先順位は変わります。
- 安全・健康の問題は、試用期間終了を待たず相談する
- 労働条件の相違は書面と実態を記録する
- 情報不足なら確認項目と判断期限を決める
- 退職意思が固まったら契約・手続・生活・次の仕事を確認する
- 短期離職の説明は事実・行動・次の確認事項で整える
まずは退職届を書く前に、契約書類と実際の違い、相談で変えられること、続けられる期限を整理してください。そのうえで、続ける・調整する・転職活動を始める・退職するの順に選びます。
