育休復帰後に辞めたい|退職を決める前に確認する順番

育休復帰後に辞めたいと考える人のイラスト 働き方・考え方

PR|本ページには一部広告が含まれます。

育休復帰後に辞める選択はできます。ただし、復帰前の予測、復帰直後に一時的に増える負担、会社と調整しても残る構造的な不一致は分けて考えてください。

最初に確認するのは、「何か月働けば辞めてもよいか」ではありません。会社から示された勤務条件と、送迎・通勤・家事・睡眠まで含む一日の流れが実際に成立するかです。

  • 勤務時間や配属の調整で解決できるなら、退職を決める前に会社へ相談する
  • 未確認の条件が多いなら、何を確認したら判断するかを決めて実態を見る
  • 調整後も送迎や生活が成立しないなら、在職中の転職準備を検討する
  • 心身の安全を保てないなら、一定期間働くこと自体を前提にせず、休む・相談する選択を優先する

退職日を決める前には、育児休業等給付、保育利用、収入、社会保険などへの影響を、勤務先、ハローワーク、自治体などの正式な窓口で確認します。

この記事では、復帰前、復帰直後、一定期間働いた後の3段階に分けて、今確認することと次の行動を整理します。

結論|育休復帰後に辞めたいときは、今の状況を分けて判断する

育休復帰後に「もう辞めたい」と感じても、すぐに退職するかどうかを決める必要はありません。

まず確認したいのは、まだ復帰条件が分からない段階なのか、実際に復帰して負担が見えてきた段階なのか、会社と調整しても生活が回らない段階なのかです。

同じ「辞めたい」でも、今いる段階によって次にすることは変わります。

今の状況確認したいこと次にすること
復帰前勤務時間、配属、仕事量、残業、利用できる制度などが家庭生活と両立できるか会社の条件を確認し、送迎や通勤を含めて一日の流れを組んでみる
復帰直後今のつらさが復帰直後の一時的な負担なのか、このまま続く問題なのか実際の退勤時間や送迎、残業、睡眠などを確認し、必要なら会社へ再調整を相談する
一定期間働いた後勤務条件を変えても、仕事・保育・家庭生活が継続できないか異動、在職中の転職準備、退職など次の選択肢を比較する

大切なのは、「復帰してから○か月は我慢する」と期間だけで決めないことです。

たとえば、通常の勤務日だけでなく、残業が発生した日や子どもの体調不良があった日まで含めて、現実的に生活を続けられるかを見る方が判断材料になります。

一方で、心身の状態が悪く、働き続けること自体が難しい場合は、様子を見ることを優先する必要はありません。無理に勤務実績を作ろうとせず、休むことや勤務先の相談窓口、医療機関、公的な相談先の利用も検討してください。

復帰前|勤務条件と家庭生活が両立できるか確認する

制度名を確認するだけでは、続けられるかは分かりません。会社で利用できる条件と、家庭で必要な条件を同じ一日の中で照合します。

会社へ確認すること

  • 復帰日と配属先、担当業務、求められる成果
  • 始業・終業時刻と、時短勤務を利用できる期間
  • 時短勤務中の給与、賞与、評価、昇進への扱い
  • 残業、出張、休日勤務が発生する可能性
  • フレックス、時差出勤、テレワークなど利用できる措置
  • 子どもの体調不良で遅刻・早退・休暇が必要な場合の連絡方法
  • 条件変更を相談する窓口と、いつまでに申請する必要があるか

厚生労働省によると、事業主は、3歳未満の子を養育する一定の労働者に、原則1日6時間とする措置を含む短時間勤務制度を設ける必要があります。ただし、労使協定や業務の性質による対象外があり、給与の扱いも会社によって異なります。

2歳未満の子を養育し、一定の要件を満たす雇用保険の被保険者には、時短勤務中の賃金の10%相当を基本とする育児時短就業給付金があります。賃金との合計額による調整や受給要件があるため、家計には見込み額をそのまま入れず、勤務先とハローワークで確認してください。

また、2025年10月1日から、3歳から小学校就学前までの子を養育する労働者に対して、事業主は始業時刻の変更、テレワーク等、養育両立支援休暇、短時間勤務など5つの選択肢から2つ以上を選んで措置する仕組みが適用されています。すべての会社で希望する制度を自由に選べるという意味ではありません。自社が用意した措置と、自分が対象になる条件を確認してください。

制度の対象になっていても、時短後の仕事量が変わらず、実際には終業時刻に帰れないなら生活は成立しません。制度名、利用時間、給与、業務量をセットで確認することが重要です。

送迎時刻から一日を逆算する

最初に、保育施設へ迎えに行ける最終時刻を置きます。そこから移動時間、退勤準備、引き継ぎに必要な時間を引くと、職場を出なければならない時刻が分かります。

確認項目会社・家庭の条件成立しない場合に相談すること
保育の迎え延長保育を含む最終時刻利用時間、代替送迎、勤務終了時刻
通勤混雑や乗換えを含む所要時間時差出勤、出社頻度、勤務地
終業定時、引き継ぎ、突発残業時短時間、残業免除、業務分担
朝の準備登園と出勤に必要な時間始業時刻、家庭内分担
病児・休園呼び出し時の迎えと看護早退・休暇、病児保育、代替担当
家庭生活食事、入浴、家事、睡眠パートナーとの分担、外部サービス
収入時短後の手取りと保育費時短期間、給付、家計の見直し

「普段の日」だけでなく、残業、電車遅延、子どもの発熱が重なった場合も確認します。誰か一人が毎回無理をしないと成立しない計画は、長期的には続きにくい状態です。

配属や仕事内容が変わる場合

育児休業後は必ず元の部署へ戻れる、と全国一律には言えません。一方、育児休業等を理由とする不利益な取扱いは禁止され、厚生労働省の指針では原則として原職または原職相当職へ復帰させるよう配慮することが示されています。

復帰後の配属や役割が想定と違う場合は、変更理由、通常の人事異動との違い、給与・評価・勤務地への影響を書面で確認してください。説明できない大きな不利益がある場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)などへ相談できます。

出社日数や通勤そのものが主な問題なら、出社回帰後に残る・交渉する・異動する・転職する判断方法も確認してください。

復帰直後|「まだ慣れていない」と「構造的に続かない」を分ける

復帰直後は、仕事の進め方を思い出す負担、子どもの環境変化、家庭内の新しい分担が一度に重なります。この変化だけを理由に、直ちに現職では続けられないと決める必要はありません。

一方で、時間がたっても自然には解消しにくい問題もあります。予定と実績を分けて記録すると、再相談するべき問題が見えます。

記録すること一時的な可能性がある状態構造的な問題が疑われる状態
退勤時刻引き継ぎや復帰直後の確認で一時的に遅れる恒常的な仕事量で毎日定時に終わらない
送迎慣らし保育や一時的な経路変更通常勤務でも迎えに間に合わない
仕事量復帰時の研修や引き継ぎが集中する時短でもフルタイム相当の成果を求められる
欠勤・早退子どもの環境変化で一時的に増える代替手段がなく、家族の一人だけに負担が集中する
睡眠・体調新しい生活リズムへの移行で乱れる休んでも回復せず、仕事や生活に支障が続く
会社の対応具体的な改善策と確認時期が示される相談しても回答がない、または制度を実質利用できない

記録は会社を責めるためではなく、「16時退勤の予定だが、引き継ぎのため週3日は16時30分を超える」など、再調整できる事実へ変えるために使います。

確認期間を置く場合は、日数だけでなく、何を確認したら判断するかを決めます。通常の勤務、忙しい日、送迎、突発対応、会社へ相談した結果まで確認できた時点が一つの区切りです。

会社へ再相談するときの伝え方

再相談では、「大変です」だけでなく、予定と実績の差、家庭側で調整したこと、会社へ求める変更を分けて伝えます。

  1. 当初の復帰条件
  2. 実際の退勤・送迎・残業の状況
  3. 家庭側ですでに行った調整
  4. 継続のために必要な勤務時間・業務量・配属上の変更
  5. 変更できるか回答してほしい時期

会社の回答期限を決めると、回答がないまま我慢を続ける状態を避けられます。

一定期間働いた後|会社の回答と生活実績で次を決める

一定期間働いた後は、経過した月数ではなく、会社の回答と生活の実績で判断します。

現職を続けやすい状態

  • 合意した時間に退勤でき、送迎と家庭生活が成立している
  • 仕事量や目標が勤務時間に合わせて調整されている
  • 子どもの体調不良時に利用できる対応がある
  • 収入の変化を家計で許容できる
  • 配属や評価について会社から具体的な説明がある

この場合は、退職するかを急いで決めるより、条件が続いているかを定期的に確認する方が合理的です。

再調整や異動が有効な状態

勤務時間ではなく、特定の会議、繁忙時間、出社日、配属先の業務が両立を妨げている場合は、働き方や役割の一部を変えることで続けられる可能性があります。

問題を「育児があるから働けない」とまとめず、どの条件を変えれば成立するかに分けて相談してください。

在職中の転職準備へ移る状態

  • 必要な勤務条件を伝えても、会社が対応できないと回答した
  • 制度はあるが、実際の仕事量や評価の運用では利用を続けにくい
  • 通勤や勤務地が家庭側の調整だけでは解決しない
  • 配属や役割の変更により、続けたいキャリアとの差が大きくなった
  • 現職で必要な条件と会社が提供できる条件が明確に食い違う

この段階では、すぐ退職届を出すのではなく、現職で成立しなかった条件を求人選びの基準に変えます。在職中に転職活動するか、退職後に始めるかは、退職前・退職後の転職活動を比較する手順で整理できます。

退職や公的相談を先に考える状態

心身の不調、安全上の問題、育休取得を理由とする不利益な取扱いが疑われる場合は、転職求人を探すことだけで解決しようとしないでください。医療機関、労働局、会社の相談窓口など、問題に合う相談先を優先します。

退職を決める前|給付・保育・家計への影響を確認する

退職する意思が固まっても、退職日を先に決めると、給付や保育利用への影響を後から知ることがあります。次の順番で確認してください。

1. 育児休業等給付の扱いを確認する

厚生労働省は、育児休業給付は育児休業後の職場復帰を前提とした給付であり、育児休業の当初から退職を予定している場合は対象にならないと案内しています。

一方、受給資格確認後に退職することになった場合は扱いが異なります。2025年4月1日以後に退職した人は、支給対象期間中であれば退職日まで支給対象とされ、それまでの給付も、受給資格確認時点で退職予定だった場合を除き、直ちに返金が必要になるとは案内されていません。

個別の受給状況や申請時期によって確認事項が変わるため、「復帰せず退職すると必ず全額返還になる」「一度復帰すれば必ず問題ない」と判断せず、勤務先の担当者とハローワークへ確認してください。

2. 保育利用の扱いを自治体へ確認する

こども家庭庁の制度案内では、保育を必要とする事由に就労だけでなく求職活動も含まれます。ただし、保育利用の具体的な運用、就労時間の下限、求職活動中に利用できる期間、必要な届出は市町村が定めます。

退職したら必ず直ちに退園になるとも、必ず一定期間利用できるとも全国一律には言えません。退職日を決める前に、住んでいる自治体の保育担当窓口へ、次の点を確認します。

  • 退職時に必要な届出と期限
  • 求職活動へ事由を変更できるか
  • 求職中に利用できる期間と必要書類
  • 転職後に必要な就労証明書と提出期限
  • 保育時間や利用調整への影響

3. 家計と会社の手続を確認する

  • 時短勤務後の手取りと、今後利用できる給付
  • 退職後の生活費と、次の収入までの空白期間
  • 年次有給休暇の残日数と退職日までの扱い
  • 健康保険、年金、住民税の切替え
  • 賞与、退職金、貸与物など会社規程上の扱い

金額や手続は会社・加入制度・退職日によって変わります。未確定の給付や賞与を確定収入として数えず、勤務先や各窓口で確認した金額を使って家計を見積もってください。

転職準備へ移るなら、両立できなかった条件を求人選びへ引き継ぐ

転職活動では、「子育てに理解がある会社」のような曖昧な希望だけでは、同じ問題を繰り返す可能性があります。現職で成立しなかった事実を、次の会社への確認項目へ変えます。

現職で困ったこと次の会社で確認する条件
迎えに間に合わない勤務地、通勤時間、終業時刻、残業実績
出社日が多く調整できない出社頻度、変更可能性、部署ごとの運用
時短でも仕事量が変わらない時短利用者の役割、目標、評価方法
突発的な早退が難しいチーム体制、代替担当、休暇の利用実態
配属変更で経験を生かせない入社後の配属、仕事内容、異動の可能性
収入低下が大きい基本給、手当、賞与、時短時の賃金

制度が求人票に書かれていることと、希望する部署で実際に利用できることは別です。企業の公式情報、求人票、面接での回答、口コミの投稿時期・職種を照合してください。調べ方は、口コミ・求人票・公式情報を照合して会社の評判を確認する手順で詳しく解説しています。

まだ「現職に残るか、転職するか」を整理できていない場合は、求人紹介へ進む前に、転職すべきかを相談するときの考え方で相談相手と相談内容を整理してください。

リモート正社員への転職を具体的に検討する場合

現職で勤務時間や出社頻度を調整しても両立できず、現在正社員として働きながら、営業、カスタマーサクセス、マーケティング、事務などのビジネス職でリモートワーク可能な正社員求人を具体的に比較したい人は、Remofulへ相談する方法があります。

育児中であることだけで求人紹介が決まるわけではありません。支援対象や紹介可能な求人は、年齢、年収、経験、希望条件などによって異なります。申込み前に公式ページで最新の対象条件を確認してください。

※支援対象や紹介可能な求人は、年齢、年収、経験、希望条件等により異なります。申込み前に公式ページで最新情報をご確認ください。

まとめ|今いる段階で確認できる事実から決める

育休復帰後に辞めたいと感じたとき、最初から転職か退職に決める必要はありません。

  • 復帰前は、会社の確定条件と家庭の一日を照合する
  • 復帰直後は、予定と実績の差を記録する
  • 一定期間後は、経過月数ではなく会社の回答と生活実績で決める
  • 退職前に、育児休業等給付、保育利用、家計への影響を確認する
  • 転職準備へ移るなら、現職で成立しなかった条件を次の求人の確認項目にする

今日行うことは、退職日を決めることではありません。まず、会社へ勤務時間、配属、仕事量、給与、利用できる両立支援制度を確認し、保育の迎え時刻から一日を逆算してください。その差が、調整できる問題なのか、転職準備へ移るべき条件なのかを見極めます。

参考・出典

確認日:2026年10月1日

山本 裕也(やまもと ひろや)
この記事を書いた人

中堅の一般企業で10年以上、採用・教育に従事。新人研修や社内相談窓口も担当していました。現在は、採用コンテンツを中心としたライター・編集ディレクターとして活動しており、累計300本以上の転職・キャリア系記事を執筆・監修しています。

また自分自身も2度の転職を経験。つらさや迷いを抱えながら働いていた時期もありました。だからこそ、今「正直つらいな」と感じている方に、無理せず「自分らしい働き方」を見つけるヒントをお届けし、理想の人生に向かって一歩踏み出すサポートをしたいと思っています。

山本 裕也(かしこい転職ガイド 編集者)をフォローする
働き方・考え方
シェアする
山本 裕也(かしこい転職ガイド 編集者)をフォローする
タイトルとURLをコピーしました