同期が辞める、転職すると聞くと、「自分だけ残っていて大丈夫なのか」「自分も早く動くべきでは」と不安になることがあります。
ただし、同期の退職は自分も辞めるべきだという結論ではありません。これまで見過ごしていた仕事・会社・将来への違和感を点検するきっかけです。
この記事では、同期が辞めた直後の焦りと会社の構造的な問題を分け、残る、上司に確認する、異動する、社外市場を確認する、転職するのどれが自分に合うかを判断します。
同期が辞めても、同じ答えを選ぶ必要はない
最初に分けたいのは、同期の退職を知って生まれた感情と、自分の職場で実際に起きている問題です。
| 今の状態 | 急いで確認すること | 次の行動 |
|---|---|---|
| 寂しさや焦りが中心 | 同期が辞める前から自分にも不満があったか | 数日置いて自分の条件を整理する |
| 退職者が続いている | 欠員補充、業務配分、今後の体制 | 上司へ事実を確認する |
| 自分の負担が増える | 担当範囲、期限、評価への反映 | 業務調整を相談する |
| 成長や昇進の道が見えない | 次の役割と評価条件 | 異動・社外市場も比較する |
| 心身に支障が出ている | 安全に働き続けられる状態か | 休む・専門窓口へ相談する |
同期と自分では、仕事内容、生活費、家族事情、得たい経験、許容できるリスクが違います。同期の選択を参考にはしても、そのまま自分の答えにしないことが大切です。
同期の退職で不安になる4つの理由
自分だけ取り残されたように感じる
転職した同期の新しい会社や待遇だけが目に入ると、残る自分が遅れているように感じます。しかし、転職先での仕事内容や負担、入社後の適応まで外からは分かりません。見えている一部だけで優劣を決めないようにします。
会社の将来に問題があるのではと疑う
一人の退職だけでは会社全体の問題とは限りません。一方、同じ部署で退職が続く、欠員が補充されない、業務が特定の人へ集中する場合は、働き続けられる体制かを確認する材料になります。
同期の仕事が自分に回ってくる
不安の正体がキャリアではなく、退職後の業務負担という場合もあります。「頑張れるか」ではなく、追加される業務、期限、支援、評価を具体的に確認してください。
もともとの違和感が表面化する
同期の退職を聞く前から、仕事内容、評価、働き方、将来性に迷いがあったなら、今回の出来事は原因ではなく考え始めるきっかけです。自分が何に困っていたのかを言葉にすると、勢いだけの転職を避けやすくなります。
まず確認する3つの事実
1.同期が辞めた理由と、自分の理由を混ぜない
本人が話してくれる範囲は参考になりますが、詳しい事情を無理に聞き出す必要はありません。「同期が辞めたから」ではなく、「自分は何を変えたいのか」を別に書き出します。
2.退職後の体制を会社へ確認する
上司には、うわさや感情ではなく、次のような実務を確認します。
- 退職者の業務を誰が、いつまで担当するのか
- 採用や配置転換の予定があるか
- 自分の担当・目標・残業がどう変わるか
- 負担増が評価や役割へどう反映されるか
答えが曖昧な場合は、確認した日と内容を記録し、いつまでに再確認するかを決めます。
3.自分が今の会社で得たいものを確認する
厚生労働省のマイジョブ・カードには、価値観、強み・弱み、将来像を整理するためのキャリア・プラン作成補助シートがあります。同期との比較から離れ、自分の基準を作る材料として使えます。
残る・確認する・異動する・転職する判断基準
今の会社に残る合理性があるケース
- 不安は同期がいなくなる寂しさが中心で、自分の仕事や条件には納得している
- 欠員補充や業務調整が具体的に示されている
- 今の会社で得たい経験と期限が明確である
- 将来の役割や評価条件を上司と確認できる
残る場合も「とりあえず我慢する」ではなく、3か月後など見直す日と、その日までに確認する変化を決めます。
上司との条件確認を優先するケース
- 同期の退職で担当や残業が増えそう
- 今後のチーム体制が分からない
- 会社や仕事は嫌いではないが、この負担では続けにくい
「辞めるか残るか」を宣言する前に、業務配分、支援、評価、採用予定を確認します。会社側の回答が具体的なら、残る判断材料になります。
異動を検討するケース
- 会社そのものより、現在の職種や部署との相性が問題
- 別部署なら強みを生かせる可能性がある
- 社内で実現したい仕事と、異動条件を確認できる
本サイトで紹介した本田さんの事例では、営業部の同期が次々に退職するなかで負担が増えました。会社や人間関係より営業職との相性が問題だと整理し、上司へ相談した結果、経営企画への異動が前倒しされています。
同期の退職と本人の限界から、営業から経営企画へ異動した体験談では、異動後も新しい仕事が簡単ではなかった点まで確認できます。
社外市場を確認するケース
- 社内の説明だけでは自分の経験の価値を判断できない
- 同じ問題が部署を変えても続きそう
- 残る条件と転職する条件を具体的に比較したい
求人を見ることは、転職を決めることではありません。仕事内容、年収、働き方、求められる経験を確認し、今の会社に残る条件と比較します。
転職を具体化するケース
- 退職が続く原因について会社から具体的な説明や改善がない
- 負担増や長時間労働が解消されず、安全に働き続けにくい
- 異動や役割変更の可能性がなく、期限を決めて確認しても状況が変わらない
- 社外の選択肢と比べ、転職する理由と得たい条件を説明できる
まだ退職時期を決めていない場合は、働きながら転職活動するか、退職後に進めるかの判断基準も確認してください。
同期が次々に辞める場合は「人数」より構造を見る
退職者が続くときは、単純に「何人辞めたか」だけで会社を判断しません。次のような構造が繰り返されているかを見ます。
- 同じ部署・上司・職種に退職が偏っている
- 欠員を補充せず、残った人へ仕事を移している
- 退職理由として同じ問題が繰り返し挙がる
- 会社が原因を確認せず、個人の問題として終わらせている
- 役割や評価の説明が曖昧なままである
反対に、個別事情による退職で、採用・引き継ぎ・業務調整が機能しているなら、自分まで急いで辞める根拠にはなりません。
15分でできる判断メモ
今日のNext Best Actionは、次の5項目を一枚に書くことです。
- 同期が辞める前から感じていた不満
- 同期の退職後に増える具体的な負担
- 会社へ確認すれば解決すること
- 異動すれば変わること、変わらないこと
- 3か月後も同じなら取る行動
一人で整理すると同じ考えを繰り返してしまう場合は、転職するか迷う段階で相談先を選ぶ方法で、上司、身近な人、公的な相談、キャリア相談、転職支援の違いを確認できます。
厚生労働省は、キャリアコンサルティングを、職業の選択や職業生活設計、能力開発について相談し、助言・指導を受けるものと案内しています。転職前提ではなく、自分の問題を整理したい場合の選択肢にもなります。
参考:厚生労働省「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント」
まとめ|同期の退職を、自分の基準を作るきっかけにする
同期が辞めると不安になるのは自然です。しかし、同期の決断と自分の決断は分けて考える必要があります。
まず、自分が以前から感じていた問題、退職後に変わる業務、会社へ確認することを整理してください。そのうえで、残る、条件を確認する、異動する、社外市場を見る、転職するの順に比較します。
同期が辞めたことを答えにするのではなく、これから自分が納得して働ける条件を決める材料にしましょう。

