【体験談・教訓】営業から経営企画への転属に至るまで|同期退職と限界に直面した日々

営業担当者が歩いているイラスト 体験談・教訓

【体験談・教訓】シリーズ 第2回となる今回は、本田さん(20代・男性)が営業として走り続けた日々の中で直面した現実、同期の退職、そして自らの限界を自覚した過程を記します。

【体験談】シリーズでは、筆者が経験・体験、または実際にご本人へヒアリングを行った「キャリアに関するリアルな事例」を紹介します。基本的には「1人称の体験談」としてまとめています。

今回の体験者:本田さん(20代・男性)

※画像はイメージ

なお、今回は第1回の続編です。まだの方はぜひこちらからお読みください。

【体験談・教訓】営業部配属から気づいた違和感と最初の挫折

営業部に配属された同期が次々に辞めていく

営業の現場で必死に働き続けていた私ですが、気づけば同期が次々に会社を去っていきました。
入社時、営業部に配属されたのは4人。その頃の飲み会では必ずと言っていいほど愚痴がこぼれます。

  • 「正直、こんなつもりじゃなかった」
  • 「あの説明会のイメージに騙されたよね」
  • 「俺、ホントは営業とかじゃなくて、毎日決まったことをきっちりミスなくこなすような仕事が好きなんだ」
  • 「もう少し体力的に楽で安定した仕事をしたい」

私自身も同じ思いを抱えていましたが、負けず嫌いな性格から「ここで辞めたら逃げだ」と奮い立たせ、気持ちを何とか繋ぎ止めていました。

しかし2年目に入る頃、同期は次々に退職。

  • 2名は転職
  • 1名は結婚を機に退職
  • 1名は特殊な事情で離脱

結果として、営業部に残ったのは私1人。
さらに追い打ちをかけるように、入社当初に憧れていた先輩社員まで転職。気づけば後輩も短期間で辞めてしまい、営業部は常に人の出入りが激しい職場になっていました。

「できるけど、やりたいことではない」モチベーションの低下

数字的には私は一定の成果を出していました。
上司からも「本田君には期待しているよ」と声をかけてもらうこともありました。

しかし、心の底にはずっと違和感がありました。

  • 「できるけど、やりたいことではない」
  • 「10年後も自分は飛び込み営業を続けているのか?」

営業で昇進すれば、部署全体の数字を背負い、経営層からの厳しい詰めを受ける。
かといって昇進せず現場に残り続けるには、体力的な限界がある。

さらに、人員不足を背景に私は新人教育や未達社員のフォローまで担当することになり、負担は増す一方でした。

「やりがい」よりも、「この状態がいつまで続くのか」という焦燥感と不安が日々大きくなっていきました。

心身の限界と「転属」という選択肢

3年目に差し掛かった頃、私は心身ともに限界を迎えました。
「もし今すぐ辞められるなら辞めたい」と本気で思うほど。

ただ、不思議なことに会社や人間関係そのものには不満がなかったのです。
問題は「営業」という職種そのもの。

そこで、意を決して上司に相談しました。

「会社や人は好きです。でも、このまま営業を続けるなら辞めざるを得ません」

すると意外な返答が返ってきました。

「実は君を2〜3年後に経営企画へ異動させる話が出ている」

正直に言うと、驚きと同時に「2〜3年後では遅い」と感じました。
「今の状態では持たない」と必死に訴えると、上司は異動の前倒しを検討してくれることになったのです。

経営企画への転属、そして訪れた新たな現実

そして1年後、私は念願の経営企画部に転属となりました。
胸を躍らせながら新しい部署へ。

「これでノルマから解放される」
「もう飛び込み営業をしなくて済む」

心の中(本音)ではそんな安堵感がありました。

しかし、現実は甘くありませんでした。
経営企画の仕事は、ある特殊事情も絡み、むしろ営業以上にシビアでハードな世界だったのです。

(※経営企画での予想の斜め上をいく展開は、次回詳しく書きます)

体験談からの教訓|限界を知った先に見える選択肢

本田さんのケースから浮かび上がるのは、「成果は出せても続けられない仕事」と向き合った現実です。営業で数字を残しても、同期の退職や自らの限界を通じて得られた学びは、キャリア選択において誰にでも当てはまるものです。

成果があっても仲間が去ると続けにくい

営業で一定の成果を出していても、同期や先輩が次々に辞めていく環境では孤独感が増し、将来像を描きにくくなります。キャリアの持続には、自分の力だけでなく「一緒に働く仲間の存在」も大きな影響を及ぼすことが分かります。

「できること」と「やりたいこと」は必ずしも一致しない

仕事をこなす力があっても、心の底で「この先も続けたいか」と問えば答えがNO、ということは珍しくありません。適性と成果を混同せず、「自分が本当にやりたいことは何か」を問い直す視点が不可欠です。

心身の限界が転機をもたらす

営業を続ける中で「もし今すぐ辞められるなら辞めたい」と思うほどの限界に直面したことが、転属を選ぶきっかけになりました。キャリアにおいて限界を知ることは決して敗北ではなく、新しい選択肢を見出す転機となり得ます。

まとめ|「できること」と「続けたいこと」は違う

20代前半、営業で結果を出しながらも「この先も続けたいか」と問われれば答えはNOでした。「できるけど、やりたいことではない」―この感覚は、キャリアを考える上で大きな気づきになりました。

  • 同期や先輩が辞めていく現実
  • 成果は出してもやりがいを感じられない葛藤
  • 心身の限界を経て掴んだ「転属」という選択肢

キャリアを選ぶ基準は「今できるかどうか」だけではなく、「続けられるかどうか」「10年後の自分を想像できるかどうか」も重要だと強く感じます。

山本 裕也(やまもと ひろや)
この記事を書いた人

中堅の一般企業で10年以上、採用・教育に従事。新人研修や社内相談窓口も担当していました。現在は、採用コンテンツを中心としたライター・編集ディレクターとして活動しており、累計300本以上の転職・キャリア系記事を執筆・監修しています。

また自分自身も2度の転職を経験。つらさや迷いを抱えながら働いていた時期もありました。だからこそ、今「正直つらいな」と感じている方に、無理せず「自分らしい働き方」を見つけるヒントをお届けし、理想の人生に向かって一歩踏み出すサポートをしたいと思っています。

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